ガングリオンとは?
ガングリオンとは関節包(関節を包む組織)や腱鞘(腱を包む組織)から発生する腫瘤(良性)で、中にはゼリー状の粘液が入っています。
ガングリオンができやすいのは手首の部分で、これは手の関節にある関節包という袋につながっています。
他にも親指の付け根(関節包)や、手のひら側の指の付け根(腱鞘)にもできやすいといわれています。
症状
サイズは様々で、米粒くらいの小さいものから、ピンポン玉ほどにまで大きくなるものもあります。
基本的に痛みはありませんが、神経の近くにできたガングリオンが大きくなると神経を圧迫して痛みを生じることがあります。
また、運動障害やしびれが起きてしまうこともあります。
原因
20~40歳代の女性に起こりやすいと言われていますが、その原因はまだはっきりと分かっていません。
関節は関節液という潤滑油の働きをする液体で満たされているのですが、関節包や腱鞘が損傷して袋のようになると、その袋の中に関節液が溜まってしまい、ゼリー状に濃縮されると考えられています。
検査
注射器で内容物を穿刺し、ゼリー状の粘液が吸引できればガングリオンと診断できます。
所見が非典型的な場合や触診では確認できない場合などには、超音波検査やMRI検査などの画像検査を行います。
治療
ガングリオンは良性腫瘤であり、自然治癒することもあるため、特に症状がなければ放置します。
しかし、見た目が気になるという理由で治療される方もいます。痛みや痺れ、運動障害がある場合には治療をおすすめします。
穿刺吸引
注射針を刺し、内容物を吸い出すという治療法です。
中身を抜いてもまたしばらくすると膨らんでくることが多いため、何度か治療を繰り返すこともあります。
外科的手術
穿刺吸引をしてもなかなか治らない場合には、手術によって関節包を切り取る方法もあります。
ガングリオンは基本的には放置でも良いものですが、痛みのある場合や他の疾患ではないかと心配な場合にはクリニックを受診してください。