頚椎症性神経根症について知っておきたいこと
頚椎症性神経根症は、首の骨の変形などによって神経の根元(神経根)が圧迫されることで起こる疾患です。
腕や手の痛み、しびれなどが現れ、日常生活に不便を感じることもあります。
比較的よく見られる疾患であり、正しい理解と対応が重要です。
頚椎症性神経根症の症状について
主な症状は、首から肩、腕、指先にかけてのしびれや痛みです。
症状は左右どちらか一方に出ることが多く、重症化すると筋力の低下や動かしにくさが現れることもあります。
痛みは時に激痛となり、夜間や長時間同じ姿勢を続けたときに強まる傾向があります。
どれくらいで治るのか
多くの場合、頚椎症性神経根症は保存療法によって3カ月以内に自然と症状が軽快することが期待できます。
ただし、症状の強さや体の状態によっては、数カ月以上かかる場合もあります。
治るまでの期間には個人差があるため、無理をせず適切なケアを続けることが大切です。
痛みが激しいときの対処法
痛みが激しいときは、無理に首を動かさず安静を保ちましょう。
必要に応じて鎮痛薬を服用し、医師の指導のもと神経ブロック注射などの処置を行うこともあります。
症状が慢性化する前に、早めに整形外科を受診することが望ましいです。
寝方に気をつけること
寝るときの姿勢によって痛みが悪化することがあるため、首に負担のかからない寝方を心がけましょう。
枕の高さは重要で、首の自然なカーブを保てるような形状がおすすめです。
仰向けや横向きで、首を無理に曲げないよう意識しましょう。
温めるのは効果的?
頚椎症性神経根症の痛みやこわばりを和らげるために、温めることは効果的です。
蒸しタオルや温熱パッドを使って首・肩周辺の血行を促進すると、症状の緩和につながります。
ただし、急性期で炎症が強い場合は冷やす処置が適することもあるため、状況に応じて判断が必要です。
手術が必要になるケースとは
保存療法で改善しない場合や、筋力低下・日常生活に著しい支障が出ている場合には手術が検討されます。
神経の圧迫を解除するための手術(椎間孔拡大術や椎間板摘出術など)が行われることがあります。
手術はあくまで最終手段であり、リスクや回復期間について十分な説明を受けて判断することが重要です。
リハビリ方法について
リハビリは、痛みの軽減と再発予防に欠かせません。
首や肩、背中のストレッチや筋力トレーニングを行い、姿勢の改善や関節の可動域を保つことを目的とします。
無理なく続けられる運動を理学療法士の指導のもとで取り入れると、安全に進められます。
首から腕にかけてのしびれや痛みを感じたら、早めに医療機関で診断を受け、自分に合った治療と生活改善を行うことが回復への近道です。