頚椎症性脊髄症について知っておきたいこと

頚椎症性脊髄症は、加齢や変性によって首の骨が変形し、脊髄を圧迫することで起こる神経の病気です。

特に中高年層に多く見られ、手足のしびれや動作のぎこちなさなど、日常生活に大きな影響を与えることがあります。

頚椎症性脊髄症の原因とは

主な原因は、椎間板や椎体の変性、骨棘の形成による脊髄の圧迫です。

年齢を重ねることで椎間板が潤いを失い、硬くなることでクッション機能が低下し、神経への圧迫が生じます。

また、過去の外傷や姿勢の悪さ、遺伝的な骨の構造も関係することがあります。

症状はどう進行していくのか

初期には手足のしびれや細かな動作の不自由さが現れ、徐々に歩行のバランスが崩れたり、ボタンをかける、箸を使うといった動きが困難になることがあります。

症状はゆっくり進行することが多いですが、突然悪化する場合もあり注意が必要です。

放置すると日常生活に支障をきたし、介助が必要になることもあります。

難病に分類されるのか?

頚椎症性脊髄症そのものは一般的な整形外科疾患であり、国の難病指定は受けていません。

ただし、症状が重度で進行性の場合、診断や治療の管理が複雑になることもあり、専門的な医療機関での対応が求められます。

治るのかが気になる方へ

一度圧迫された脊髄は完全には元通りに戻らないこともありますが、早期に適切な治療を行うことで進行を抑えたり、症状を改善させることは可能です。

軽症であれば保存療法でも十分対応できますし、進行が早い場合でも手術で状態の安定を図ることができます。

リハビリの役割について

保存療法では、リハビリが非常に重要になります。

主に姿勢の改善や首・肩の筋力を整える運動、バランス訓練などが行われ、神経の働きを補助する役割を果たします。

術後も再発予防や機能回復のために継続的なリハビリが勧められます。

手術を受けるタイミングとは

日常生活に支障が出始めたり、保存療法で効果が見られない場合は手術が検討されます。

代表的な術式には椎弓形成術や前方固定術などがあり、神経の圧迫を軽減することで症状の進行を抑えることが目的です。

手術後も経過観察とリハビリが重要になります。

首まわりの症状が長引いていたり、手足の動きに違和感を覚える場合は、早めに整形外科を受診することが大切です。

早期発見と対応が、将来的な生活の質に大きく影響します。